「『宅建は比較的易しい』と聞くし一発合格者も多いみたいだけど、合格率は低いよな。」
「受けるからには一発で受かりたいから、合格率が低い理由を教えてほしい。」
このように思って、これから宅建士試験を受けようと思っている人もいるのではないでしょうか。
たしかに宅建は合格率が低い試験です。
しかし、ちゃんと対策すれば受かります。
僕自身もちゃんと対策して、宅建に一発合格することができました。
そして、ほかにも司法書士や行政書士に受かり、今では受験指導をしています。
そこで、この記事では
- 宅建一発合格がすごい理由
- 宅建合格率が低い意外な理由
などを話していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
宅建一発合格はすごい?どのぐらいの割合なの?
宅建試験の合格率は約15~17%。
その宅建合格者のうち一発合格者は4割前後とされており、1回で合格する人が最も多いです。
このことから
「宅建一発合格はすごくない。」
とも思われるかもしれません。
しかし、合格者のうち6割ほどという『過半数』は一発合格できていません。
また、
- 合格できずに、何度もチャレンジしている人
- 合格できずに、試験を受けなくなった人
もいます。
(ちなみに僕の兄は「合格できずに、試験を受けなくなった人」です。)
なので、
「宅建一発合格はすごい!」
と言えます。
なお、初学者の合格までの学習時間の目安としては一般に「200~400時間」とされています。
宅建合格率が低いたった1つの理由
宅建合格率が低い理由は1つしかありません。
それは宅建が相対評価の試験で、元々合格率が15%前後に設定されているからです。
「宅建で扱う法律問題が『難しい』から」
とか
「誰でも受けられる試験だからテキトーなノリで受けている人も多くて『その不真面目な人たち』が落ちて合格率を下げているから」
とかではないんです。
このように宅建は元々合格ラインが15%前後に設定されているので、
- たまたま宅建試験で扱う問題が『簡単』な年でも合格率は15%前後
- たまたま『本気の受験生』しかいなくても合格率は15%前後
となります。
なぜ宅建合格率が15%前後に設定されているか
宅建合格率が15%という低いラインに設定されているのは、宅建士試験とは関係ない実務上の次の2つの理由が考えられます。
- 宅建士の質を担保するため
- 既得権益を保護するため
宅建士の質を担保するため
宅建士は不動産の売買や賃貸の仲介をする際に「重要事項の説明」などを行います。
これは不動産では多額のお金が動く一方で、売買や賃貸の当事者は不動産の素人であることも多いため、当事者に不測の高額な損害が生じることを防ぐためです。
つまり、宅建士の責任は非常に重大なんです。
不動産の売買や賃貸の仲介を行う不動産会社では、従業員の5人に1人は宅建士であることが義務付けられていることからも宅建士が重要な地位を占めていることがわかります。
このように責任重大な宅建士を誰でも取れるとしたらどうなるでしょうか。
いい加減な宅建士が出てきて、不動産取引で多額の損害を被る人も出てきますよね。
だから宅建士試験の合格率を15%程度に抑えて、宅建士の質を担保する必要があります。
既得権益を保護するため
不動産ビジネスは儲かります。
たとえば不動産売買では余裕で数千万円・数億円が動くのでその仲介をすれば、仲介手数料が3%でもめちゃくちゃ稼げるわけです。
不動産賃貸は売買ほど大きな額は動きませんが、それでも家賃は日常の買い物と比べて高いし、売買よりも頻繁に行われているので仲介をすれば儲かります。
そんな稼げる美味しい仕事に誰でも参入できるとなれば、今稼いでいる人たちが儲けにくくなりますよね。
それもあり、新規参入の敷居を高くするために、宅建士試験の合格率を15%程度に抑えているんです。
まとめ
宅建の一発合格はすごいです。
何だかんだ多数派は一発で合格できていません。
しかし、その一発合格できていない裏には軽いノリでテキトーに宅建の勉強を始めている人が多いという印象です。
宅建に受からずに撤退した僕の兄は、僕のお古のテキストや過去問題集を使っていましたし、話を聞くとほとんど勉強していなかったようです。
つまり、本気で適切な努力をちゃんとすれば宅建は受かるし、一発合格も夢ではありません。
宅建合格率が低いのは「試験とは関係ない実務上の理由」ですが、宅建士の責任の大きさと稼げる職業だということを知れば勉強するモチベーションもわくのではないでしょうか。
宅建は司法書士や行政書士より難易度が低く、取り組みやすい試験なのに、転職などで大変評価される資格です。
「宅建ってやっぱり良い資格だな~。」
と思ったらぜひ挑戦してみてください。