「俺の知り合い、結局合格しないでフリーターだよ」
「お前じゃ受からない」
このように言われて、司法書士は無理ゲーだと思っている人もいるのではないでしょうか。
僕は司法書士に合格し、講師もしているのですが、僕自身も
「やめておいたほうが良い」
などと周囲の反対を受けることがあったし、
「自分に司法書士は受からない」
と思うことすらありました。
そして、合格した今も司法書士はかなり難しい試験だとは思います。
しかし、「無理ゲー」というのは不正確だし、司法書士は挑戦する価値のある資格です。
そこで、この記事では、
- 司法書士試験は無理ゲーなのか?割に合わないのか?
- 僕が知っている人生が狂う結果になった人の話
- 司法書士試験挑戦をやめないで良い理由
などについて話をしていきます。
司法書士試験は無理ゲーなのか?地獄レベルの勉強が必要?
「司法書士試験は無理ゲー」
というのは一理あります。
なぜなら司法書士は択一11科目に加え記述2科目もあるので、覚える量が膨大で生半可な勉強では合格できないからです。
1つ1つの範囲で覚えることがたくさんあるので、ある範囲を勉強している間に時間が経てば、1つ前の範囲で勉強したことを忘れていることはザラです。
こんなふうに「あれを覚えたらこれを忘れる」の繰り返しなので、下りのエスカレーターを全力で駆け上がらないとイメージしておけばよいでしょう。
そんな司法書士試験なので、最難関資格試験の1つである司法試験よりも難しいとさえ言われることもあります。
実際僕も司法書士試験で覚えるべきことが多すぎて
「司法試験のほうが楽なんじゃないかな?」
と思ったほどです。
はっきり言って、司法書士試験は地獄レベルの勉強が必要です。
僕自身も体調を崩すほど勉強しました。
そのため、僕が生徒さんになりそうな人には
「司法書士試験は半端じゃない努力が必要ですよ。」
「中途半端な気持ちなら、あなたの人生のためにやらないほうが良いですよ。」
といつも言っています。
ちなみに、こんなに司法書士がなぜ難しいか疑問に思うかもしれませんが、司法書士試験が実務家登用試験であり、司法書士の仕事が数千万~数億円の不動産にかかわる責任重大な仕事だからです。
なので、誰もが登記業務をするのは許されないし、もし許されれば世の中が問題だらけになります。
司法書士が割に合わないと言われる理由
「司法書士は割に合わない」
とよく言われます。
これには大きく2つの理由があります。
- 難易度の割に稼げない
- 難易度の割に認知度がない
難易度の割に稼げない
僕は司法書士は稼げる資格だと思います。
しかし、他資格にも稼げる資格はあり、それらと比べると
「司法書士は難易度の割に稼げない」
とは言い得ます。
たとえば、司法書士は行政書士と比べて僕の中では数倍難しい試験です。
しかし、行政書士は幅広い業務をすることができ、高収入も期待できます。
実際に司法書士の平均年収は945.4万円、行政書士は584.4万円と試験の難易度に匹敵するほど収入の差もありません。
ほかにも司法書士の合格率は約4%なのに対し、最近の司法試験は約40%なので、合格率は司法試験のほうがだいぶ高いです。
たしかに、司法試験は予備試験合格者とロースクール卒業生しか受けられない試験で、誰でも受けられる司法書士とは単純に比較できません。
しかし、間違いないのは
「司法試験のほうが司法書士より難しい」
と断言できないことです。
その一方で、
「弁護士が司法書士より幅広い業務ができる」
というのは断言できます。
(弁護士は司法書士ができる業務のすべてが可能です。
しかし、司法書士は弁護士ができる業務でできないことはたくさんあります。)
幅広い業務ができれば、それだけ自分の得意を活かして稼ぎやすくなります。
そのため、弁護士(司法試験)と比べて司法書士は難しいわりに稼げないと言えるんです。
難易度の割に認知度がない
司法書士は少なくとも司法試験に匹敵する難易度です。
しかし、その難易度の割に悲しいほど認知度がありません。
「司法書士試験」が「司法試験」と似ているため弁護士と間違われたり、「行政書士」や図書館の「司書さん」と混同されることもあります。
実際に僕も自分が受けようとするまで司法書士のことをほとんど知りませんでした。
そんなふうに世間のほとんどの人が司法書士を知らないのもあり、初対面の女の子に司法書士を説明するのには苦労します。
「登記をする仕事」
と言ってもイメージがわかないので、
「弁護士みたいな仕事」
とか濁したりして悲しい気持ちにもなります。
正直あんなに難しい試験に受かったんだから
「すごい!!」
と言ってほしいのですが、
「へー。」
くらいで終わるので、それを考えると割に合わないなと思います。
司法書士で人生狂う結果になった人のエピソード
僕は自分が合格者なので周りは司法書士に受かった人が多いです。
また、生徒さんやネットの人たちも受かれば報告してくれるのですが、受からなかった場合は何も発信しないことが多いです。
そのため、「10年以上かかっても受からない」という話をネットで見たりはしますが、司法書士で人生が狂う結果になった人のことを具体的にはそう知りません。
ただ、Twitterの知り合いで人生が狂ってしまった方を一人知っています。
その方はマーチの名門大学を卒業したものの、新卒のカードを捨てて司法書士試験に専念して頑張っていました。
しかし、ご実家の財政難から仕送りが途絶え、やむを得ずに就職するもブラック企業で1ヶ月で退職。
その結果、彼女には振られ、再就職もなかなか決まらず、やっとの思いで就職したのがアダルトショップの店員なんだそうです。
マーチという優秀な大学を卒業されている以上、新卒のカードを使っておけばよい企業に就職でき、彼女さんとも幸せな生活を送っていたと思われます。
しかし、司法書士試験を受験し、悲惨なことになってしまいました。
司法書士はやめたほうがいいのか?
これまで司法書士についてネガティブな話ばかりしてきました。
それで僕は実際に
「中途半端な気持ちでは司法書士は目指さないほうが良い」
と今も思っています。
本当に人生が壊れるからです。
しかし、司法書士は挑戦しがいのある資格試験だし、僕は挑戦をやめないで良かったと思っています。
司法書士は無理ゲーではない
「司法書士試験は無理ゲー」という話についてですが、適切な方法で努力すれば成果が出やすい試験なので無理ゲーとは思いません。
たとえば、司法試験は論述式試験がメインなので、その人のセンスが物を言う場合もあります。
しかし、司法書士は事前に覚えてきたことを試験で答えれば良いので司法試験と比べるとずっと単純です。
ただ、単純とはいえ、物凄い努力は要するので結局はその人の頑張り次第になります。
とにかくちゃんと適切な方法で頑張れる人なら司法書士は無理ゲーではありません。
司法書士はやりがいを持って稼げる
司法書士は難易度の割に稼げない面もあります。
業務の範囲も弁護士より狭いです。
しかし、実務上は弁護士と司法書士で棲み分けはできており、登記のプロフェッショナルは司法書士で、弁護士に頼む人はほぼいません。
仮に弁護士が仕事を受けることになれば、司法書士に委託します。
それに、弁護士がメインの裁判業務はどうしても紛争に絡むので、相手から恨まれやすく、自分自身が病みやすいです。
一方で、司法書士は登記の権利者・義務者の双方から感謝されるので、やりがいも大きくなります。
しかも司法書士試験が難しい以上、参入障壁が高いため、一度障壁を超えれば競争が緩く、稼ぎやすいのも明らかです。
つまり、司法書士はやりがいを持って稼げる資格と言えます。
社会的ステータスある人からは認知されている
司法書士は認知度が低いと言っても、知っている人はちゃんと知っています。
僕が以前家を借りた大家さんは
「司法書士を持ってるなんてすごいですね!」
と言ってくれました。
大家さんで不動産投資をしているからこそ、司法書士と携わる機会があり、難易度も含めて認知しているのだと思います。
また、個人事業主は信用が低いため、なかなか家や事務所を借りれなかったり、融資を受けるのが難しかったりすると言います。
しかし、司法書士という肩書があれば信用され、家を借りたり、融資を受けたりするのもスムーズです。
このように日常では認知されていない司法書士ですが、社会的ステータスのある大家さんや銀行はちゃんとわかってくれるし、大事なところで信用してくれます。
まとめ
以上のように司法書士は挑戦しがいのある資格です。
僕はやる気がある人なら司法書士試験をお勧めします。
しかし、何度も言う通り難関資格なのは確かです。
そこで、予備校(スクール)講座を利用しましょう。
予備校では資格のプロがあなたに教えてくれるので独学よりわかりやすくて効率的だからです。
学習のハードルを下げて、あなたの夢実現のために一歩踏み出してみてください。